編集 | 鄭麗媛
提供 | CSDN（ID：CSDNnews）
「決算は素晴らしいが、リストラもひどい。」これは、多くのマイクロソフト社員が会社に対して抱いている最新の評価かもしれません。
先月末、マイクロソフトは2025年度第3四半期の売上高が700億ドルを超え、AIとクラウド事業が順調に成長しているという良いニュースを発表したばかりですが、今週、悪いニュースが届きました。マイクロソフトは全世界の従業員の約3％にあたる約6000人の人員削減を発表しました。
解雇された中には、会社に18年間勤務したTypeScriptのベテランや、AI戦略を推進していたばかりのディレクターもいます。病気休暇中の人もいれば、「Gold Club 年間優秀社員」の栄誉を獲得した人もいます。「私たちは直ちに業務を停止し、『外出中』の自動応答を設定するように求められました。」と、ソーシャルメディアである人が書き込みました。
売上高の急増とAIへの投資の猛進がある一方で、「ご参加ありがとうございました、直ちに退席してください」という状況——マイクロソフトはなぜこのようなことをするのでしょうか？
表面上の好調さ：マイクロソフトの決算は再び「予想を上回る」
4月30日、マイクロソフトは2025年度第3四半期の決算を発表し、ほぼ非の打ちどころのない成績を示しました：
総売上高：701億ドル、前年同期比15％増；営業利益：320億ドル、前年同期比19％増；純利益：258億ドル、前年同期比18％増；クラウド事業（Microsoft Cloud）売上高：424億ドル、前年同期比20％増；検索・広告収入は21％増；Microsoft 365、Dynamics 365、LinkedIn、Azureなどの主要製品ラインの収入も軒並み増加…
言い換えれば、マイクロソフトは赤字を出していないだけでなく、むしろ大儲けしています。このような「決算の宴」の直後に人員削減を発表するのは、理解しがたいことです。
「AIに道を譲る」ためのリソース再構築？
マイクロソフトがこれについて説明したのは、今回の人員削減は財務危機や社員の業績不振によるものではなく、「変化の激しい市場環境の中で会社の立ち位置をより良く見つけるために行われた必要な組織調整」であるということです。
関係者によると、人員削減の背後にある最も核心的な動機は、AI自体が人間の仕事を「置き換えた」ことではなく、「リソース配分を最適化し、より多くの資本をAI関連事業に投入するため」だといいます。報道によると、マイクロソフトは2025年度にAIインフラと研究開発に800億ドルという巨額を投資する予定で、これは過去数年間で最大の資本支出となります。
今年1月、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが決算発表会で語ったように、「テクノロジーのプラットフォームが変革する際、私たちはインセンティブの仕組みや市場戦略を再考する必要があります。旧世代の思考パターンを続けることはできません。新しいアーキテクチャ設計と市場機会を受け入れることを学ばなければなりません。」
多くの企業と異なり、マイクロソフトがAIに賭ける方法は、単にAI人材を増やすことではなく、データセンター、チップ、システムソフトウェア、モデルトレーニング、アプリケーション統合などのフルスタックへの投資です。これは——たとえ収入がどれだけ高くても、利益率を維持するためには、一時的にAI戦略に直接的な価値をもたらさないポジションやチームを「削減する」必要があることを意味します。
この点について、Wedbushのアナリスト、Gil Luria氏も、マイクロソフトの人員削減行動は大規模な資本投資がもたらす「自然な結果」であると指摘しています。「マイクロソフトが現在の資本支出レベルで毎年AI構築を進め続ける場合、減価償却費と営業費用を均衡させるためには、少なくとも1万人のポジションを削減する必要があります。」
言い換えれば、マイクロソフトの今回の大規模な人員削減は、「AIにスペースを空ける」ための組織的なスリム化です。
解雇されたのは誰？
報道によると、今回の人員削減はLinkedIn、Xbox、Azure、エンジニアリング研究開発など、世界の複数の部門と事業ラインに及び、マイクロソフトに長年勤務したベテラン社員やAIチームの重要なメンバーも少なくありません。
解雇されたベテランエンジニアはX（旧Twitter）にこう書き込みました：
「私はマイクロソフトで18年間勤務し、そのうち約10年間はTypeScriptに携わっていました。残念ながら、最新の人員削減で職を失いました。これを処理するために数日必要で、その後仕事を探し始めます。これまでの私の旅路に関わってくださったすべての人に感謝します。」
非常に驚くべきことに、マイクロソフトのAIディレクター、Gabriela de Queiroz氏もXで解雇されたことを発表しました：「少し複雑なニュースを共有します：私はマイクロソフトの最新の人員削減の影響を受けました。」
「どんなに一生懸命働いても、会社のためにどれだけ宣伝しても、どれだけの成果と認知度をもたらしても、あなたがマイクロソフトをAI企業として有名にするのを助けたとしても、あるいはマイクロソフトを人々にとってより良い職場にするための様々な計画を推進したとしても、これらはあなたを解雇から免れさせることはありません。」
Gabriela de Queiroz氏は、彼女が一緒に働いていた多くの優秀な人材が解雇されたことに非常に悲しんでいると付け加えました：「私たちは直ちに業務を停止し、『外出中』の自動応答を設定するように求められました。私はもう少し残ることを選び、いくつかの引き継ぎ作業を終え、数人の同僚に別れを告げます。これが私がするべきだと思うことです。」
今後の計画については、Gabriela de Queiroz氏は現在方向性がありませんが、楽観的に見ています：
これに加えて、病気休暇中に解雇されたマイクロソフト社員もいると報じられています。彼女自身が解雇されただけでなく、マイクロソフトで働いていた夫も今回の人員削減の影響を受けました——これはマイクロソフトの人員削減戦略に対する外部からの疑問を呼んでいます。「AIに道を譲る」という姿勢は、人間的な配慮を無視するほど冷酷になったのでしょうか？
AIは人間を置き換えていないが、AI戦略は置き換えるかもしれない
皮肉なことに、多くの人が元々マイクロソフトのAI部門で働いていたり、AIプラットフォーム開発を支援していたりしましたが、最終的にはAI戦略の「犠牲者」となりました。
サティア・ナデラ氏は以前、シリコンバレーでの公開講演でこう認めています。「マイクロソフトの一部のプロジェクトでは、コードの20％〜30％がAIによって自動生成されています。」つまり、今回の人員削減は「AIが人間を置き換えた」ためではないものの、AIが引き起こす戦略的な重点のシフトが、マイクロソフトの雇用ロジックを確かに変えました。具体的には、現在のマイクロソフトは、従来のプロジェクト管理や周辺サポートのポジションよりも、モデル構築とインフラストラクチャ展開ができる人材を保持する傾向が強くなっています。
市場は受け入れたか？答えはイエスのようだ
マイクロソフトの人員削減のニュースは世論で少なからず反響を呼びましたが、資本市場は肯定的な反応を示しているようです。
人員削減発表当日、マイクロソフトの株価は449.26ドルで終値を迎え、年内最高値を更新しました。時価総額は一時3.33兆ドルを突破し、再びApple（3.18兆ドル）をリードしました。投資家は一般的に、コスト削減＋AI投資拡大＝将来の高い利益率だと見ています。
言い換えれば、「コスト削減と効率向上」と「AIへの転換」という2つのキーワードが、ウォール街の期待を的確に捉えました。
実際、過去数年間、Amazon、Google、Metaなどの大手テクノロジー企業はほぼ例外なく人員削減の波に見舞われました。そして、かつて「安定」と「高給」で知られたテクノロジー大手であるマイクロソフトも、このAI革命の波の中で取捨選択をせざるを得ませんでした。
確かに、現在AIは追い風ですが、その風がもたらすのは機会ばかりではなく、激しい痛みを伴う可能性もあります。この人材の「再構築」が、AI時代の「戦略的な配当」をもたらすことができるのか、私たちはまだ分かりません——しかし、現在の状況から見ると、確かなのは：たとえAIが私たちを置き換えなかったとしても、私たちは自身の独自の価値を再証明しなければならないということです。
参考リンク：
https://www.cnbc.com/2025/05/13/microsoft-is-cutting-3percent-of-workers-across-the-software-company.html
https://www.goodreturns.in/news/microsoft-layoffs-2025-6000-people-lose-jobs-why-worlds-largest-tech-company-is-firing-its-employees-1429045.html
おすすめ記事：
▶Appleを辞め、年収25万ドルを放棄！彼は全力で一つのAppを開発したが、リリース直前にメンタルが崩壊…
▶Tencentが動いた！ひっそりとAIプログラミング助手CodeBuddyをリリース、開発者は国産版Cursorを無料で体験できる！
▶毎日5000ドル節約、18PBデータ大移行！Ruby On Railsの父、「脱クラウド」に向けた最後の49日間
CSDN創業者＆董事長 蒋涛氏「対談」浙大求是特聘教授 方興東氏。中国インターネット30年の証人として、鴻蒙OSの黎明期から、中国ハイテクの台頭について語る。方興東氏の新刊「鴻蒙開物」が登場！ライブ配信で福袋抽選、限定サイン版をプレゼント。